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バッチ式乾燥炉用 熱風発生装置+制御盤+循環ファン更新工事

■ 品目・施工内容


🔥 バッチ式焼付乾燥炉のバーナが老朽化したため更新してほしい

       ★ 熱風発生装置 AH-600NM-A (ヒートエナジーテック社製)  × 1基

🔥 制御盤も古いので合わせて更新してほしい

       ★ ホクネツ製標準型  バッチ式塗装乾燥炉用制御盤   × 1面

🔥 循環ファン 及び 前後接続ダクトの更新

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■ 更新に至るまでのストーリー

バッチ式の金庫型焼付乾燥炉を購入されてから6年目にバーナーの故障が発生し、その際に初めて当社に修理をご依頼いただき、それがきっかけでその年から年1回のホクネツ定期点検サービスをご利用いただいておりました。

老朽化した部品や不具合兆候が見られる部品は、予防保全的に交換いただいておりましたので緊急トラブルは無くなりましたが、13年目を超えたあたりよりバーナー本体の焼損が目立つようになりました。

翌年の点検での状態を見て判断することになり、次の点検を迎えて確認したところ前年の状態より悪化が見られましたので、内部のバーナASSYの交換をご推奨しましたが、バーナーのみならず制御盤機器類にも老朽化による不具合が見られだしましたので、お客様と時間をかけて協議した結果、バーナーと制御盤に加えて循環ファンも更新することになりご依頼を頂きました。


■ お客様のもうひとつのお悩み    低い温度帯で使用した時に設定温度を超えてしまう(オーバーシュート)


80℃~220℃の広い温度帯でご使用されておられましたが、80℃設定の際にどうしても設定温度を超えてしまうので、合わせて改善してほしいとのご要望を頂きました。

現場状況や費用などを総合的に見て当社から以下の改善ご提案をしました。

① 温度指示計にて設定温度+10℃で一旦メインバーナをOFFにし、下がってきたら再度メインバーナをONさせるように回路を作ること

② MIN燃焼の絞りが効きやすいノズルミックスタイプのバーナに変更すること(既設バーナは、プレミックス式だったため弱火の絞りが効きにくい)

③ 別方法としてメインバーナMIN時は毎回メインバーナを一時消火させる回路を選択できるようにする(CMリミットスイッチの活用にて)


 いざ、更新工事開始 ! ! 

15年以上も使用していたため、保温状態が悪くなってあちこちで熱風漏れや保温の劣化による放熱がみられました。

     

工事が夏に差し掛かる頃でしたので、工場の上は蒸し暑い…💦。

まずは、乾燥炉上に長年堆積した塗料カスやホコリを清掃。


   

左 :  新しい熱風発生装置 AH-600NM-A (ヒートエナジーテック社製)

右 :  新しい循環ファン (昭和電機社製)


🔥 炎職人によるバーナー選定のこだわり 🔥

ヒートエナジーテック社のインダクト型の熱風発生装置シリーズは日本一のシェアを誇るロングセラー商品です。

本体の造りが非常に堅牢で、10年は当たり前で、設置環境によっては20年~30年も使用しているお客様もいらっしゃいます。

価格が安いバーナは他にもありますが、それだけで選ぶのは大変危険です。

今回選定したAHタイプは、燃焼性能が良く、寿命も長く、このお客様の設置環境には最も適していると判断しました。

お客様の立場になって入替した後のことも考慮したご提案をすることを、ホクネツ株式会社スタッフ一同は心がけています。


   

製品を吊下げしているコンベアなどが障害となり、炉体の上部へ機器を持ち上げることが大変困難な現場でした…。

安全を十分考慮して慎重に持ち上げました。


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循環ファンの設置場所が決まっていたため架台でのかさ上げができず、バーナー吐出口との高さの違いはダクトの形状でカバーしました。

腕の良いベテランの協力会社さんの製作したいびつな形のダクトは、寸分狂うことなく接続ができました(^^)/ さすがです。



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保温工事と同時にバーナーと制御盤の試運転調整を実施しました。

ターンダウン(最大と最小の燃焼量の差)も大きく取れて、低温度帯でもオーバーシュートが無くなりました。



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試運転調整完了後の設置状況です。



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■ その後の経緯


更新した翌日より乾燥炉をご使用いただきました。

オーバーシュート問題も解決し、お客様に大変喜んでいただくことができました。

もちろん、定期点検サービスもご継続頂きました。


🔥  当社施工担当者からのメッセージ 🔥

ホクネツ本社が管轄する地域では、塗装乾燥炉をご使用されているお客様からの定期点検サービスのご依頼が最も多く、私たちは様々なメーカー様の製作された炉や、様々な設置環境やご使用状況を見させていただく機会や、実際ご使用されているお客様のお声を聴くことが多くございます。

各種条件に対して最適なバーナーを選定されているものは多くございますが、稀に残念ながらお客様が大変ご苦労なさりながらお使いになられているケースもございます。

ホクネツ株式会社ではバーナーのメンテナンスだけでなく、お客様に対しバーナーの専門家としての経験と知見をもとに、そうしたお客様のお悩みについても改善する提案をすることも大切に心がけております。

またバーナー更新をお考えのお客様は、ぜひとも当社へご相談いただければ幸いです。

( 本社リードエンジニア ・ 仲谷 和人 )



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