★ 老朽化したるつぼ型溶解炉のガスバーナの更新です。
対象装置/ るつぼ式アルミ溶解炉(富山県) | 提案バーナ/ LS2 (LPGプロパン・349kW) |
納入・施工範囲/ バーナASSY・制御盤・現地施工・試運転調整 | 提案理由/ コンパクト・ハイパワー・溶解時間短縮・省エネ |

■ 能力不足でトラブル続きの溶解炉バーナの更新のご依頼です
運転中の失火、昇温不良、温度制御ムラの3悪と戦いながら生産されてきた現場の技師様。とうとう限界を迎え、バーナ更新をご決断されました。
どうせ交換するなら、①省エネ ②省スペース ③高制御性能 を網羅できるものは無いかをご相談いただき、それらの条件をクリアできる内容で検討しました。
■ 溶解炉専用のパッケージバーナ「LSシリーズ」
大阪の老舗バーナーメーカー「コロナ株式会社」様が開発した「LSシリーズ」は、インバーターによる空気量制御と連動する高性能比例モーターバルブを組み合わせたノンリンケージ式の比例制御バーナです。また、短炎と長炎の2つ仕様が選択でき、高静圧ファンでMAX80m/sの高速噴射燃焼といった数々の特長があり、あらゆる使用環境・条件においてマッチングさせやすいバーナとなります。
■ 従来のパッケージバーナーによる溶解炉の常識を変える

従来は輝炎で輻射熱を利用しながらメラメラとるつぼの周りで燃焼させる方式が採用されていましたが、LSバーナーを利用した場合、高速炎がるつぼ周囲を何周も回転することで熱を効率よく伝えることでるつぼ昇温が均一となり、溶解時間の短縮や燃焼を抑えることで省エネ効果が得られます。
■ 実際の効果について
このお客様ではこれまで3時間程度要していた溶解時間が30分短縮するといった結果となりました。またるつぼ本体にかかる熱が均一に分散することでるつぼの劣化も抑えられているようです。

■ 担当者からのメッセージ
排熱回収型の省エネバーナより購入しやすい価格でさらに省スペースを達成できないかを感がしえていた中において、実際の現場にて新しいるつぼを温める際の内部の赤熱跡を確認させていただくと、炎が通過する部分だけが赤熱し、そうでない部分は黒いままであることが見て取れました。
そこで、高速でるつぼ外周を回転させればるつぼ内部の赤熱ムラが解消され、これが溶解時間の短縮につながるのではないかといった仮説を立てました。
そんな中、タイミングよくコロナ様から「LSバーナ」の開発段階で現場のご意見を聞かせてほしい旨のご依頼をいただきました。開発コンセプトと商品の特長を確認したところ、省スペースかつ高速燃焼といった部分が合致すると判断できましたので、さっそく溶解炉メーカー様のご理解のもと試験的にご採用いただいたところ、溶解時間が大幅に短縮できる結果を得ることができました。
また、「LSバーナ」は高ターンダウン比といった性能も有しているため、温度保持がしやすく、るつぼ溶解炉には最適なバーナであるということで、今後お使いの溶解炉バーナを更新されるご計画があるユーザー様や、これから開発・設計される炉メーカー様に是非お勧めできる商品です。
北陸BASE / 田下